[日誌]6月2日『ふたたび接近する木星』5、 合同稽古1

第1回目の全シーン合同稽古の前に『ふたたび接近する木星』の5回目の稽古を行った。

「書道でいう、トメ・ハネ のように太さが欲しい。」犬飼さんはこのシーンに「太さ」を求めている。

犬飼さんは自分の中の感覚を伝えるためによく比喩を使う。自身の感覚を他者にそのまま伝達するのは難しい。使った比喩が伝わらない時もある。しかし伝えようとして出てきた比喩はどれも絶妙なセンスで一定の人数が共感できるような誰しもが体験してきたことの中から出てきている。それは戯曲の中にもその片鱗があるように思える。戯曲の中には「ああ、あのときのあの感覚か」と以前日常で起きたことを想起するような場面が多い。

 

 

「一つ一つの場面がそれだけでも作品として成立してほしい」

いつかの稽古で犬飼さんはこう言った。

合同稽古にてこの作品の全ての場面が現れたわけだが、その言葉の意味がよくわかった。短編集を読んでいる気分になった。全てのシーンに盛り上がりのある部分がある。観客はその山を毎回登る。2時間越えの超大作だ。ここからこの山を山脈としてどうコーディネイトするのかが楽しみである。

 

 

 

1995年栃木県生まれ。 立教大学現代心理学部映像身体学科、卒業。 2016年に同学科教授・松田正隆氏が代表をつとめる、マレビトの会のプロジェクト・メンバーとなる。フェスティバル/トーキョー16主催プログラム『福島を上演する』に演出部として参加する。(2018年現在、マレビトの会演出部に所属) フェスティバル/トーキョー17「実験と対話の劇場」では、演劇作品『驟雨』(作・演出)をあうるすぽっとにて上演した。