[日誌]6月12日『ふたたび接近する木星』6 出演者・松竹です。

雨が降っていた。朝から何も食べていなかったことに気づき、稽古場に来る途中であんぱんを買う。到着すると、予定していた稽古場が急遽使えなくなってしまったとのこと。なんとか代わりの場所が見つかったので移動。犬飼さんは雨の中を自転車で、役者陣は電車で。移動中、気づくと山科さんは小魚を食べていた。西山さんは片手の小指を怪我してしまったそうで、その指には冷えピタが巻かれていた。

稽古場に到着。とにかく立ってやってみる。山村さんの役の雰囲気が、別の稽古で変更になったと伝えられてから始まる。一度最後まで通したところで犬飼さん「話が噛み合っていない」。前回の稽古から時間が空いているので、思い出しながらやっている部分もある。が、繰り返して慣れるだけでは補えない気がした。これまでの稽古である程度決められた状態を、さらに良くするためにはどうすればいいのか。状態を壊さないように、ベースにしつつ、気持ちの良い感覚を探りたい。難しい。まだ言葉の意味に頭と体がついていけていない感覚だけが、自分の中でいやに目立つ。この感覚は他人が見てもわかるくらい、わたしの仕草や表情に表れているのだろうか。

何度も立って繰り返す。山村さんは前回よりもさっぱりとした印象だ。犬飼さんが笑いやセリフとセリフの間の長さを細かく指定する。西山さんに、もっとフォーマル度合いをあげて欲しい、と演出が入る。度合いの上げ下げで演出することはよくあるが、犬飼さんの度合いの指定は特に緻密だと思う。先日別の稽古では「速度を0.7倍に」と言っていた。具体的な数字を聞いたのはこの時くらいだが、「もっと上げる」「少し抑える」のような漠然とした言葉でも、ものすごく計算しているんだろうと感じることが、たまにある。なのでこちらもちょうどいいところを考えるのだけど、結局自分のものさしでしか測れないので、よくわからなくなったりする。

1995年千葉県生まれ。 高校在学中に出演した自主映画をきっかけに、役者としての活動を始める。 <映像>「彦とベガ」(谷口未央監督)「戦慄怪奇ファイル超コワすぎ!FILE-01 恐怖降臨コックリさん」(白石晃司監督)「なりゆきな魂、」(瀬々敬久監督)など。<舞台>ナカゴー「キンダガートンコップ」ほりぶん「牛久沼」東葛スポーツ「短編集」など。