覚え書き「情報が開示されるのを~」

3月中旬から稽古が始まっている。回数はまだ月に数回程度で、これまで『真昼』二回、『逆行』一回、『新衛星』一回分の稽古をした。いずれも未発表の作品。『真昼』はまだ脚本的に修正の余地あり、『新衛星』はまだ半分だけ書けている状態。

今回の作品『木星のおおよその大きさ』は、全部で七場あって、稽古は一場ずつの「抜き」でおこなう。演出部のメンバーで担当を割りふって各場につき一名、固定で付いてもらって稽古をする。

ここまでで思ったこと等をツイッターに覚え書きしていたので、それの説明→

 

「情報が開示されていくのを実感しながらの演技。劇空間にいながらも同時に見られていることを意識しているからこそできる状態。」(3/16)

『真昼』一回目の時のメモ。演技をする上で最大の問題は、演技者がその台詞を何度も言っていることだと思う。

何度も言っているので、当然慣れてしまう。慣れてしまうとスムーズになる。人が普段喋る際には、言葉は自分の言葉だから、その発話に乗っているニュアンスがしっかりとある。しかし台詞は自分の言葉ではなく、しかも何度も言っているのでニュアンスの乗りが薄くなる。

ここで観客の視線を借りる。観客にとってその台詞は初めて聞くものだ。その観客の視線を借りる、もしくは想像することで、もう一度ニュアンスを台詞に取り戻す。

またこれは素舞台だからこそ起こることかもしれないが、口にしたことが本当になる。会話が進むことで登場人物の詳細(バックグラウンド?)が徐々に明らかになってくるが、劇が始まった時点ですでに存在しているのではなく、口にしたからこそ(台詞を発したからこそ)それが本当になる。

 

劇作家・演出家。 愛知県出身。 2007年-2015年、演劇カンパニー「わっしょいハウス」にて、主宰・劇作・演出として活動。現在は個人名「犬飼勝哉」として作品を発表する。